テント泊訓練、ようやく実施
5月・6月・7月と、3回ほど計画しているテント泊訓練ですが、6月下旬の25~26日はスカウト2名の参加が有り、今回初めて実施することが出来ました。
テント泊訓練の狙いは?
コロナ禍を迎えて2年以上、それ以前に指導者不在の期間もあって、長らくキャンプを含めテント泊するような活動は出来て居ませんでした。ですので、現在所属の中3以下のスカウトはキャンプに関する技能は余り身に付いて居ません。
それ以上に気になっているのは、長い間スカウト全員が一同に揃う集会や活動が持ててないので、各スカウトが他にどんなメンバーが居るのか分かってない、顔を見たことも無い(困った)状態となっています。
これでは班や隊の一体感を感じることは難しく、スカウト活動への興味も減って当然です。
この辺の打開策を兼ねて、計画したのがテント泊訓練とご理解ください。
テント泊訓練と、もっともらしいことを言っていますが、
要は自分達で食事を作り、ねぐらを確保して、そして何らかの課題にチャレンジする程度の事で、泊まり込みの隊活動と言うか短期の合宿と言った感じでしょうか?
自宅以外の所で、スカウトメンバーが1泊2食、寝食を共にする訳ですので、指導者を含めてスカウト同志の距離を近づけるには有効な近道だと思っています。
出来れば、テント泊訓練を何度か繰り返し、内容も徐々に実践的な物にしていけば、スカウト活動に関する理解と、長期キャンプにも対応出来るような経験も身に付くんじゃ無いでしょうか?。
「無理をしない」を基本姿勢で
今回の6月25~26日のキャンプ泊訓練には、中1と小6のスカウトが参加してくれました。
聞いたところでは、この2年間学校の「自然教室」も行えず、テントで寝る経験は余りないようです。
今回、初めて行うテント泊訓練ですので、最初から無理をする訳には行きません。
先ずは「食事を作る・食べる」「寝る」「自分も周囲をきれいにする」「自分勝手を慎む」が当たり前に出来て、快適に1泊2食の生活を乗り切る事を主眼としました。
ですので、調理に関しては、包丁を使わない、レトルトや簡単な調理法とする。薪ではなくガスレンジを使用するといった具合で、なるべく失敗をしない、危険が無い方法で1泊2食に臨みました。
第1日目(6月25日)
集合
集合時間は、6月25日の午後4時半としました。
夕食は予め卵チャーハンを主食にすることは決めていたので、集合後直ぐに近所のスーパーへ、夕食のおかずと、朝食の材料、それに翌日までの飲料確保に向かいました。
冷凍食品コーナーで相談の結果、おかずはカニ玉として、主食の卵チャーハンとあいまって、卵尽くしの内容となりました。
朝食は、各自の希望の物として、お茶漬けや、卵掛けご飯、パンと皆異なるメニューとなりました。
夕食調理
その後宿泊場所に移動し、先ず夕食の卵チャーハンの作成について、ユーチューブの動画を見て事前学習です。隊長があれこれと作り方を説明するより、動画の方がスカウトに良く伝わる様です。
スカウトが二人だったので、一人はチャーハン作り、もう一人はカニ玉作りと分担を分けて調理開始。 調理といっても、基本的にガスコンロで炒めるだけですので、失敗の心配は少ないようです。
カニ玉担当のスカウトは、料理のイメージが想像できなかったようで、カニ玉というよりは炒り卵のアン掛けいった感じの仕上がりになりましたが、短時間で夕食の準備は出来、空腹を満たすことが出来ました。
村岡温泉
入浴は近所の村岡温泉を利用しました。
コロナの影響で、営業時間が以前より1時間短くなっているので、夕食の後片付けを皆で分担して、今回は自動車で村岡温泉に向かいました。
夕方からの活動ですから、汗をかくようなことはまだ何もしていなかったのですが、お湯に身を浸けて暫しの間、ゆったりと過ごしました。
テント張り
ウィズ・コロナ時代のキャンプですので、基本的にテントは一人一張の前提で準備しました。
当初は、境内にテントを張ることを考えたんですが、テントで寝た経験も少なそうだし、最近は人家近くでも色んな獣がウロツイテいるようなので、今回は倉庫の一階部分でテントを張ることにしました。
使用するテントはコンパクトな一人用のドームテントを使ってみました。簡単な構造のドームテントでしたから、付属の説明書も見ずに短い時間で設営が完了したようです。
室内でもあり、暑さ対策としてフライシートは張らずに過ごして見ました。
説明書も見ずにテント張をやってますが 寝袋の準備。屋内なのでフライシートは略しました。 同じタイプのソロテントを使用しました。 フライシートをかぶせた状態。ペグを使ってシートを張れば入口付近に荷室が出来る。 今回スカウトが使用したテント
夜の活動
午後8時ごろから、夜の活動として写経に挑戦をしてみました。
写経なんて余りやりたがらないと思っていたのですが、写経の事を話すと割と興味を持ってくれて少し安心しました。筆ペンでA3用紙にうっすら印刷された260文字をなぞっていくのですが、大人がやっても可なりの集中力が必要な作業です。
スカウト2人共「直ぐに飽きちゃうだろうな!」と思っていたのですが、まだ学校で習っていない漢字も多いにもかかわらず、話もせずに写経に集中していました。
意外に集中。直ぐに飽きると思っていたんですが、2人とも全部書き上げました。 夜の活動は、写経に挑戦。左端から書いていくのは、新鮮に感じました。 学校では習っていない漢字も沢山有るのですが・・・
1人のスカウトは、写経を休日学習の宿題にすると言って仕上げ、もう1人のスカウトは1枚目の仕上がりに満足できなかったのか、2枚目に挑戦。
結局、1時間半ほど写経に費やし、午後10時も近くなって来たので、就寝前に「きもだめし」的な事や、川が近いので「ホタル狩り」なんかで少し闇夜を散策しないかと誘ったのですが、こちらはアッサリと却下されたので、就寝準備へと移行しました。
就寝
スカウト2名はそれそれのソロテントに、隊長は2人用ドームテントに分かれて就寝体制に入りました。
今回は、キャンプマットの代わりに倉庫にあった座布団を引いて、コンクリートの土間の固さを和らげました。
寝袋の準備。屋内なのでフライシートは略しました。 就寝準備完了
灯りを弱くして、おやすみを言い交した後は、直ぐに静かになりました。1人は程なく眠りに入り、もう1人は早く眠りに付こうと寝袋の中で努力している雰囲気が伝わってきます。
誰でもそうですが、環境が変わるとナカナカ寝付けないものです。私も敷地内ではありますが、簡単には寝入れませんでした。
翌日聞いた話では、寝付けなかった一人は、夜中まで目がさえていたらしく、眠れそうになるたびに、隊長が鼾をかいて邪魔していたらしいです。申し訳なかったです。
第2日目(6月26日)
朝食
翌朝の起床は6時半の予定だったのですが、スカウト達は6時には目が覚めてしまい、予定より少し早い時間からのスタートとなりました。
朝食はお茶漬けと、卵掛けご飯という事でしたので、ガスレンジでお湯を沸かし、パックご飯を温めます。
簡単にご飯の準備は出来たのですが、残念なことにお醤油を準備するのを忘れてしまい、生卵に塩を掛けて食べるのも想像することが出来ませんでしたので、2人ともお茶漬けとさせてもらいました。
午前の活動
朝食後は洗面や身の回りのことを整え、テントをたたみ、食器の片づけを終えると時間は早くも午前8時。今回は10時に解散の予定です。
午前の活動という事で、今回は座禅に挑戦してみました。
座禅というと難しく哲学的なイメージが有りますが、実はそんな固苦しいのではなく、気分転換や精神安定のための呼吸法といえます。
スカウト2人には、ブルーシートを引いた上に座布団を敷いて、胡坐をかいて座らせて、
『検定や試験の時に緊張することが有るけど、そんな時に今からやる座禅の呼吸法を知っていると緊張を和らげ、実力を発揮出来るから・・・』
と、彼らに言い聞かせます。
私の言葉を信じてくれた訳では無いでしょうが、3人が向き合って座りながら胡坐から足を組み替えて、体を前後左右に揺らしながら位置を決めて、腹式呼吸で息を整える。
1つの呼吸を出来るだけ長めにとって、呼吸の数を数えて、10回が1セット。
1セットが終わったら、足を左右組み替えて、もう一セット・・・と、足の組方を変えてみたり、体のストレッチを交えてみたりと20分ほど座禅のさわりの部分を実地でやって見ました。
また、次の機会に座禅することが有れば、今回よりも更に深い境地に近づけると思います。
解散
この後も、ゲーム的な事やスカウト技能に関することの学習や、提案して居たプログラミングの学習等に取り組めば良かったのですが、準備不足で先延ばしとしました。
次回、以降にチャレンジする内容を高めて行きたいと思っています。
午前9時には、宿泊場所を後にして、朝の散策をしつつ10時の解散の時間を迎えました。
初回のテント泊訓練を終えて
今回のテント泊訓練の目的は、長い間キャンプから遠ざかっている現状ですが、簡単な食事でも自分たちで作り、食して、自分が張ったテントで一晩過ごしてみて、キャンプの楽しみやスカウト活動の面白味がが少しでも分かれば、また、何時もと違う環境で過ごして見て、普段、安心して過ごしている家庭の暖かさや有難味が実感できれば、この1泊2食のテント泊訓練も実施した意義があったかと思います。
今後も、7月下旬か9月中に第2回目のテント泊訓練を行いたいと思いますが、今回より少し難易度を上げた取り組みにしていきたいと思っています。